士業のホームページ集客は資格で変わる?優先順位から広告規程まで解説

士業のホームページ集客は資格で変わる?優先順位から広告規程まで解説

ホームページからの問い合わせが月に1〜2件しかなく、しかも料金だけ聞かれて終わっていないでしょうか。開業のころから案件を回してくれた先輩や商工会からの紹介も細り、同期の事務所がサイトから毎月案件を得ていると聞けば、何が足りないのか気になるところです。

士業のホームページ集客で効く打ち手は、保有資格によって順番が変わります。依頼までの期間が資格ごとに違い、広告に使える表現の範囲も規程の形式ごとに差があるためです。この記事では、集客が止まる地点の見分け方と資格別の優先順位を整理します。あわせてホームページに書ける表現の線引きや相談から受任までの導線、広告記録の残し方と費用の考え方も解説します。

この記事を読めば、ご自身の資格で何から手をつけるべきかを順番で判断でき、広告表現の可否も基準をもって見分けられるようになるでしょう。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。

士業のホームページ集客が止まる地点

士業のサイトで問い合わせが止まる地点は、業種を問わない一般的なつまずきとは少し違います。検索順位やスマートフォン表示といった土台の問題は共通ですが、その先で止まる理由が士業には特有です。資格名を掲げただけの事務所案内と、依頼まで届かない相談の入口がその代表です。

ここでは、問い合わせが止まる2つの地点を順に見ていきます。

資格名だけを掲げた事務所案内

事務所サイトの多くは、資格名と業務の一覧と所在地で構成されています。相談者は資格の名前ではなく手元にある手続きの名前で探すため、この作りでは何を頼めるのかが伝わりません。

トップページで前に出すのは事務所の名前ではなく「建設業許可の新規申請」のような手続きの名前です。全国社会保険労務士会連合会の2024年度社労士実態調査では、受託業務のうち手続業務の割合が平均41.5%と最も高く、労働及び社会保険に関する相談業務の14.3%がこれに続きます。

社労士の調査値とはいえ受注の中心が手続きである以上、サイトの見出しも手続き名で立てるほうが相談者の探し方に合います。取扱分野を絞り、扱う手続きの名称と対象になる人を並べて書きましょう。

依頼まで進まない相談の入口

問い合わせフォームを置いただけのサイトには、料金の確認だけで終わる相談が集まります。相談者が費用の見当をつけられないまま連絡するため、最初のやり取りが値段の質問から始まります。

日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査では、知事許可の建設業許可申請(個人・新規)の平均が132,040円でした。最頻値は110,000円ですが最大値は330,000円まで開き、回答は2つの価格帯に分かれています。10万円以上12.5万円未満が31.9%、15万円以上20万円未満が29.0%です。

同じ業務名でも金額がこれだけ動くなら、相談者は幅と条件を見ないと判断できません。料金表には金額だけでなく、金額が変わる条件と含まれる作業の範囲を添えましょう。

関連記事:ホームページで集客できないのはなぜ?診断から改善の順番まで解説

士業のホームページ集客が資格で変わる理由

同じようにホームページから相談を集めるといっても、行政書士と弁護士では有効な打ち手が同じになりません。分かれ目は2つあり、依頼までの期間の長さと、広告に使える表現の範囲です。どちらも制度の側で決まっているため、工夫や努力では動かせません。

この章では、資格で打ち手が変わる理由を2つの軸から解説します。

依頼までの期間が資格で変わるから

行政書士や司法書士が扱う手続きには、法律で決まった期限があります。相続で不動産を取得した相続人は、不動産登記法第76条の2第1項により、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務を負います。正当な理由なく怠った場合の過料は10万円以下です(同法第164条第1項)。

建設業許可には申請の期限こそありませんが、申請から許可が下りるまでに時間がかかり、国土交通大臣許可の標準処理期間はおおむね120日程度です。どちらの手続きでも、相談者は間に合うかどうかを基準に依頼先を決めます。

一方、税理士の顧問契約や社労士の就業規則の見直しには、相続登記や許認可のような申請期限が課されていません。比較検討の期間が長いぶん、経歴や取扱実績を確認できるページが判断材料になるでしょう。

広告に使える表現に差があるから

広告のルールは士業で横並びではありません。弁護士は日本弁護士連合会の会規である「弁護士等の業務広告に関する規程」に加えて「業務広告に関する指針」をもち、条文の量も執行の仕組みもほかの資格より厚くなっています。

税理士は税理士会の綱紀規則(準則)第22条が本会の定めに反しない限り広告できると定め、細かい内容を「業務の広告に関する細則」に委ねています。司法書士は司法書士行為規範第17条の一般条項に、単位会ごとの広告規則と運用指針が重なる二層構造です。

社労士の根拠は全国社会保険労務士会連合会の会則第43条の4で、行政書士は行政書士倫理第10条の1か条だけです。同じ表現でも資格が変われば可否が分かれるため、ほかの資格の事務所サイトをまねた書き方は通用しません。

士業のホームページ集客の優先順位

打ち手の順番は、扱う手続きの期限と相談者の探し方で決まります。期限のある手続きほど相談から依頼までが短いため、問い合わせの受け皿を整えるのが先です。顧問契約のように検討が長い業務では、判断材料を積み上げるページづくりが先になります。

ここからは、5つの資格ごとに何から着手するかを見ていきます。

行政書士は許認可の期限に合わせる

行政書士が先に整えるのは、扱う許認可ごとに間に合う時期を示すページです。建設業許可を例にすると、国土交通大臣許可の標準処理期間はおおむね120日程度あります。

内訳は2段階に分かれ、都道府県知事の事務所に書類が届いてから地方整備局長等の事務所に届くまでがおおむね30日程度、そこから処分までがおおむね90日程度です。補正に要する期間は、この日数に含まれません。行政手続法第5条第3項により行政庁は審査基準を公にしておく義務を負い、標準処理期間も第6条により定めたときは公にする扱いです。

いつ相談すれば間に合うかを制度上あらかじめ計算できるため、逆算のカレンダーをページに置けます。地域名と手続き名の組み合わせで探されるため、Googleビジネスプロフィールの登録も同じ時期に済ませておきましょう。

社労士は助成金と労務相談に寄せる

社労士が先に作るのは、助成金と労務相談の入口です。全国社会保険労務士会連合会の2024年度社労士実態調査によると、顧問先の従業員規模は29人以下が63.9%、30人以上99人以下が20.9%でした。約85%が100人未満で、専任の人事担当がいない先が中心のため、制度の説明より「うちが使えるか」の判定を求められます。

助成金のページでは、期限を先に書きましょう。キャリアアップ助成金の正社員化支援では、取り組みの前に計画の提出が必要で、支給申請は取り組み後6か月の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。

期限が事前と事後の二段階に分かれる点を示すと、相談の時期がずれて手遅れになる問い合わせを減らせます。労務相談は就業規則の見直しやトラブル対応など、単発で受けられる入口を分けて置きましょう。

関連記事:社労士のホームページ制作で外せない8項目|顧問契約につながる作り方

司法書士は相続の入口を広げる

司法書士は相続の入口を広く取るのが先です。相続登記の申請義務化は令和6年4月1日に施行され、相続で不動産を取得した相続人は取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。令和6年3月31日以前に開始していた相続は、原則の期限が令和9年3月31日です。取得を知った日が令和6年4月以降なら、その日から3年以内です。この記事の時点で、残りは7か月ほどしかありません。

過去分の期限が全国共通で迫っているため、相続のページは事務所案内の一部ではなく独立させましょう。日本司法書士会連合会の会員数は2026年4月1日現在で23,505人、うち認定司法書士が18,698人です。

約8割が認定をもつため、認定の有無だけでは差がつきません。取り扱う相続の範囲と、遠方の相続人への対応方法を書き分けましょう。

関連記事:紹介案件を逃さない司法書士のホームページ制作|掲載要素から費用まで解説

税理士は決算期から逆算する

税理士のサイトは、相談が集まる時期から逆算して整えます。確定申告と決算の時期が暦で固定されているため、ページの更新やセミナーの告知を動かせる時期も自然と決まります。繁忙期の直前に慌てて手を入れるより、閑散期のうちに書きためておくほうが無理がありません。

相談者は決算期から逆算して依頼先を探すため、サイト側もいつまでに相談すれば決算に間に合うかを示しておきましょう。日本税理士会連合会の登録者数は令和8年7月末日現在で82,310名で、税理士会別では東京が24,756名と最も多くなっています。

「税理士」と地域名の組み合わせで探されても、競合の数は地域で大きく異なります。商圏の設定を先に決めてから、発信量を考えましょう。

関連記事:税理士のホームページ集客で見直す7項目|広告規制の注意点も紹介

弁護士は分野ごとにページを分ける

弁護士のサイトは、扱う分野ごとにページを分けるのが先です。相談者は「弁護士」ではなく「離婚」「相続」「労働」といった分野の名前で探すため、事務所案内1ページにまとめると検索の入口が1つに絞られます。

日本弁護士連合会の会員数は2026年8月1日現在で48,089人です。東京・第一東京・第二東京の3会だけで24,395人と全国の約5割を占め、徳島95人や高知89人のように2桁の会もあります。

競合の密度がこれだけ違えば、都市部は分野をさらに細かく分け、地方は分野を広く取る組み立てが成り立ちます。ただし分野別ページでも、勝訴率の表示は弁護士等の業務広告に関する規程第4条により認められていません。

士業のホームページ集客で書ける表現

実績を載せたいのに、どこまで書いてよいのかがわからず手が止まる場面があります。判断の基準になるのは法律ではなく、資格ごとの会規・会則・倫理です。禁止される表現の型はどの資格も似ていますが、条文の細かさと執行の仕組みが違うため、確認する先も変わります。

5つの資格について、書ける表現と書けない表現の線引きを整理します。

弁護士が表示できない4つの事項

弁護士の広告は「弁護士等の業務広告に関する規程」(会規第44号)が定めます。令和7年12月5日の改正が最新で、第4条は表示できない広告事項として次の4つを挙げています。

  • 訴訟の勝訴率
  • 顧問先や依頼者
  • 受任中の事件
  • 過去に取り扱った事件

このうち後ろの3つは書面などの同意があれば表示できますが、勝訴率は同意があっても載せられません。第3条は禁止される広告を7類型に分け、事実に合致しないもの、誤導や誤認のおそれがあるもの、誇大なものなどを挙げます。

「業務広告に関する指針」は「最も」「一番」といった最大級の用語や「信頼性抜群」のような実証できない優位性を示す用語を、文脈によって問題になり得るものとして例示しています。規程第9条により、広告には氏名と所属弁護士会の表示が必要です。

税理士の細則が決める広告の範囲

税理士会の綱紀規則(準則)第22条は、本会の定めに反しない限り会員が自己の業務を広告できると定めています。原則は自由で、細かい内容は「業務の広告に関する細則」に委ねる作りです。

細則第3条には禁止される広告が7号、第4条には表示できない広告事項が4号並びます。表示できないのは在職時の役職名と委嘱者の氏名、現在扱っている事案と過去に扱った事案の4つです。後ろの3つは、委嘱者の書面による同意があれば表示できます。

運用指針の解説は「元◯◯国税局長」のように管轄地域名を冠した役職名を、表示できないものとして挙げています。「元税務署長」「元国税職員」なら事実に合致している限り使えますが、誇示する文言を加えると表示できません。禁止例には「巧みに節税します」「税務調査省略になります」も並びます。

司法書士が避ける結果の保証

司法書士行為規範第17条は2項に分かれます。第1項が虚偽の事実を含む広告や誤認を生じさせるおそれのある広告、第2項が品位または信用を損なうおそれのある広告を禁じます。

これに単位会ごとの広告規則と運用指針が重なる二層構造です。たとえば、大阪司法書士会の運用指針は「当事務所ではどんな事件でも解決してみせます」「たちどころに解決します」「過払金100%回収」を、誇大または過度な期待を抱かせる広告の例に挙げています。

事件を依頼するうえで面談がまったく不要であるかのような表現も、誤導のおそれがある広告にあたります。受付時間や取扱件数が実際と違う、相談無料と書きながら相談料を請求する状態も、事実に合致しない広告です。単位会ごとに規則の中身は違うため、所属する会の規則と運用指針を確認しましょう。

社労士が守る誇大広告の禁止

社労士の広告を直接縛るのは、全国社会保険労務士会連合会の会則第43条の4です。第3項は、誇大または虚偽の事項によって相手方を欺くおそれがある方法での広告や宣伝を禁じています。承諾を得ない電子メールでの広告送信は、第4項が禁じる対象です。

広告に触れているのは第3項と第4項の2項だけですが、承諾のないメール広告は特定電子メール法第3条でも原則として禁じられており、一般法と会則の両方が重なります。同法第4条は表示義務も定めており、送信者の氏名または名称は正式なものが必要です。

サービス名や「◯◯運営事務局」のような表示では足りません。会則第44条は、連合会が会員の信用や品位を害する行為をしないよう指導すると定めています。

行政書士倫理が定める1条

行政書士の広告を直接規律するのは、行政書士倫理第10条の1か条だけです。条文は、不当な目的を意図した広告宣伝と品位を損なうおそれのある広告宣伝を禁じる短いもので、禁止される表現の型は並んでいません。関連する規定として、不正または不当な手段で依頼を誘致する行為を第7条が禁じます。

条文が少ないのは自由の広さではなく、可否の判断がご自身に委ねられている状態です。判断に迷ったら、ほかの資格の運用指針が挙げる禁止例を基準にすると、行き過ぎた表現を避けられるでしょう。

なお、行政書士法第10条は信用または品位を害する行為の禁止を、第10条の2は報酬額の掲示義務を定めた別の条文です。公正かつ誠実に業務を進める職責は、2026年1月1日に施行された改正で新設された同法第1条の2が定めます。

士業のホームページ集客の相談導線

入口を増やしても、問い合わせから面談、受任までの間が抜けていれば依頼は増えません。相談者が知りたいのは、いくらかかるのか、何を用意するのか、どこまでやってもらえるのかの3点です。ここをサイト側で先に埋めておくと、面談の時間を中身の話に使えます。

ここでは、相談から受任までを一続きに設計する方法を解説します。

相談料と着手金の示し方

相談料と着手金は、相談者にとって最も比較しやすい数字です。ほかの事務所と並べて見られる前提で、金額が何に対する対価かまで書き添えます。

日本行政書士会連合会の報酬額統計調査は、行政書士法第10条の2第2項に基づいて5年に1度実施されます。令和7年度調査では遺産分割協議書の作成に705件の回答があり、平均は69,752円で最頻値は55,000円でした。同じ業務名でも1,000円から100万円まで回答が開いているため、単価を1つ載せても相談者の判断材料になりません。

サイトに載せるのは、金額の幅と、その幅が動く条件です。弁護士職務基本規程も、適正かつ妥当な弁護士報酬の提示を求めています。無料相談を置く場合は、無料の範囲と有料に切り替わる地点を同じページに書きましょう。

面談までに減らす往復の回数

問い合わせが来てから面談までに、日程調整や必要書類の案内で何度もやり取りが往復します。往復が増えるほど途中で連絡が途切れるため、返信の回数を減らす設計が要ります。

ページにあらかじめ置いておきたいのは、相談当日に必要な資料の一覧と、面談の所要時間、対面とオンラインの可否です。この3点を書いておけば、最初の返信で日程の候補を出すだけで済みます。筆者が守っているのは、受け手に1手を要求しない原則です。相手にメールをさかのぼらせる連絡は、それだけで返信が遅れます。

承諾のない広告メールは弁護士・税理士・社労士の各規程が禁じており、相談への返信と広告の配信は分けて扱う必要があります。

相談分野と期限を選ばせる項目

問い合わせフォームの入力項目を氏名と連絡先と相談内容の3つに絞る作りは、業種を問わず勧められます。ただし、士業ではこの3つだけでは受任の判断に足りません。

追加したいのは、相談分野の選択と期限の有無です。相続登記のように3年の申請義務がある手続きと、顧問契約の相談では、返信の優先順位も準備する資料も変わります。期限の欄に提出日が書かれた相談は、その日のうちに返すべき案件だと入力の時点で判別できます。

筆者のヒアリングシートも、書くのは面倒なものだと考えたうえでのチェック式です。入力の負担を一つ減らすごとに、返ってくる確率は上がります。

分野の選択肢は、実際に受任している手続き名で並べましょう。取り扱っていない分野を選択肢に残すと、断る連絡の手間が増えます。

受任前に伝える業務の範囲

相談と受任の境目は、サイト側で先に書けます。弁護士職務基本規程第29条が求めるのは、受任にあたっての事件の見通しと処理の方法、報酬および費用の適切な説明です。同条第2項は依頼者に有利な結果を請け合ったり保証したりする行為を、第3項は見込みがないのに装って受任する行為を禁じます。

司法書士行為規範も同じで、受任の際の説明が第21条、報酬と費用の明示が第22条、契約書の作成が第23条です。行政書士倫理では、第15条が受任する業務の内容と範囲の明示を、第16条が適正かつ妥当な報酬の提示を求めます。

説明すべき項目は各資格の規程が示しているため、そのままページの見出しにすれば面談で話す内容が事前に伝わります。どこまでが相談で、どこからが受任かを書き分ければ、着手金の説明も自然に進むでしょう。

士業がポータル頼みから抜ける順序

士業向けのポータルサイトや紹介サービスは、開業の初期に最初の接点を作る使い道があります。ただし、掲載順はサイト側が管理し、契約が終われば流入も止まります。依存を下げる前に確かめたいのは、料金の多寡ではなく、その仕組みがご自身の会規に触れないかどうかです。

ここでは、ポータルとの付き合い方と自事務所サイトへ戻す順序を確認します。

紹介の仕組みを会規で確かめる

紹介サービスの可否は、料金が有料か無料かでは決まりません。弁護士職務基本規程第13条は、依頼者の紹介を受けた対価の支払いと、紹介をした対価の受領をどちらも禁じています。司法書士行為規範第12条も、いかなる名目によるかを問わず紹介の対価の支払いと受領を禁じます。

名目が掲載料やシステム利用料であっても、実質が紹介の対価なら対象です。たとえば、大阪司法書士会の運用指針は登録の可否を見極める4つの項目を挙げています。

  • 市民から金銭を徴収していないか
  • 定額の登録料以外を徴収していないか
  • 登録料が期間や掲載枠で決まるか
  • 相談内容に運営側が関与していないか

所属する会の規則によって判断は変わるため、登録の前に会の窓口へ確認しましょう。

事務所名で検索される状態を作る

ポータルの掲載を止めた途端に問い合わせがゼロになるなら、依存度は高いままです。抜ける順序は、掲載を切る前に自事務所サイトへ情報を積み上げるところから始まります。

最初に置くのは、取扱分野ごとのページと手続きの流れの説明です。次に、セミナーや地域の会合で名前を出し、事務所名で検索される状態を作ります。事務所名での検索が増えれば、ポータル経由の相談が減ったときの落ち込みを抑えられます。

掲載中の紹介文も注意の対象です。税理士の細則第6条は、細則に抵触する第三者の開示行為への利益供与と関与を禁じています。運用指針によれば、形式的に第三者が広告主でも、全体として会員の広告と認められる場合には細則が適用されます。ポータルの文面も、ご自身の広告として扱いましょう。

士業のホームページ集客で残す広告の記録

広告を出したあとに何を残すかまで決めている資格があります。ホームページは書き換えるたびに内容が変わるため、どの時点の表示を残すかが手間の分かれ目です。保存の対象も広告物だけとは限らず、契約書や入出金の記録まで広がった資格があります。

保存義務の範囲と、更新前の画面の残し方を紹介します。

3年の保存を課す資格の範囲

広告記録の保存を求める規定は資格ごとに異なります。広告が終了したときから3年間の保存を課す資格と根拠は、次のとおりです。

資格根拠となる規定保存年数
弁護士業務広告に関する規程第11条3年
税理士業務の広告に関する細則第9条3年
司法書士単位会の広告に関する規則(大阪会は第8条)3年

司法書士の保存義務は単位会の規則によるため、所属する会に規則があるかを確かめましょう。弁護士の規程第11条は2026年7月1日に施行された改正で、広告物に加えて広告業者との契約書と入出金の記録も保存の対象になりました。同日より前に終了した広告や、それ以前の入出金には遡りません。

社労士と行政書士には、広告物の保存年数を定めた規定がありません。

関連記事:弁護士のホームページ制作の費用は?相場と広告規程に強い依頼先を解説

更新前の画面の控え方

ホームページは頻繁に書き換わるため、いつの表示を残すかで作業量が変わります。税理士の運用指針が求めるのは、書き換えのたびに変更前のデータを保存する扱いです。大阪司法書士会の運用指針は、画面の一新や掲載内容の大幅な変更があった場合に書き換え前のデータを残すよう求めます。

保存の方法はデータに限らず、印刷した紙でも足ります。日本弁護士連合会の指針では、ウェブサイトやメールとSNSの広告をリンク先のURLを含めて保存する扱いです。

同じ指針では、アフィリエイトやSEO対策で第三者のサイトを使う場合に、広告配信の方針と報酬が発生する条件の資料も保存の対象としています。ほかの資格に同じ明文はありません。更新のたびにPDFへ書き出し、日付をつけたフォルダにまとめておくと後の照会に対応できるでしょう。

士業のホームページ集客の費用

費用の判断は、支払う金額だけでは決まりません。一人事務所では、記事や実績を書けるのがご自身だけになるため、時間の使い方も費用の一部です。外に出す場合も、初期の制作費と毎月の運用費を分けて見る必要があります。

ここでは、手元で直す場合と制作会社に任せる場合を分けて解説します。

自分で直す場合の時間の負担

無料のツールを使えば制作費は0円から始められ、有料ツールでも月額数千円で使えます。ドメインとサーバーの維持費も、安価な構成なら年間5,000〜20,000円ほどに収まります。金額そのものは負担になりません。

問題になるのは時間です。取扱分野の説明や手続きの流れを書けるのは、事務所ではご自身だけになります。全国社会保険労務士会連合会の調査によると、開業社労士の事務所当たり年間売上は平均約1,658万円・中央値550万円で、1,000万円未満が全体の約6割でした。

一人で回す規模では、原稿に使える時間は限られます。書く範囲を取扱分野1つに絞り、月1本と決めて続けるほうが更新は止まりません。止まったサイトは古い情報を残すため、量を増やすより続く分量に合わせましょう。

制作会社に任せる場合の月額

外に出す場合の相場は依頼先で分かれ、フリーランスに頼むと10〜30万円、制作会社では30〜200万円が目安です。月額で払う定額制なら、初期費用0円(対応エリアによる)・月額3,850円から始められるサービスもあります。

補助金を検討する場合は、スケジュールが合うかを先に見ましょう。小規模事業者持続化補助金の一般型 通常枠は補助率3分の2・上限50万円で、ウェブサイト関連費の上限は30万円(税込)です。

ウェブサイト関連費だけでは申請できず、ほかの経費と組み合わせます。商工会や商工会議所の事業支援計画書も必要です。第20回の申請受付は2026年12月15日17時までで、様式4の発行受付は12月4日で締め切られます。交付決定は採択発表から1〜2か月かかるため、急ぐ制作には適しません。

関連記事:士業のホームページ制作の費用相場は?格安と集客型の違いを解説

士業のホームページ集客でよくある質問

資格ごとの規程を踏まえると、実績や写真の載せ方にも迷いが出ます。判断の基準はどの資格でも似ており、事実に合致しているか、同意が要るか、品位を損なわないかの3点で確かめられます。開業したばかりで載せる実績がない場合も、この基準は変わりません。

最後に、事務所サイトの制作でよく出る3つの疑問にお答えします。

実績がない場合、何を載せればいい?

実績が少ないのは、広告の規程から見ると不利ではありません。過去に取り扱った事案は、弁護士なら書面または電磁的方法による同意、税理士なら委嘱者の書面による同意がなければ、原則として表示できません。

載せるのは、取扱分野ごとの手続きの流れと必要になる書類、完了までの期間の目安です。料金は幅を示し、無料で対応する範囲も書き分けましょう。

前職の経歴は、事実に合致していれば書けます。ただし、税理士の運用指針が挙げるとおり、役職名に誇示する文言を添えると表示できなくなります。書けるのは肩書きまでで、そこから期待させる説明は加えないと考えましょう。

顔写真は出さないとだめ?

顔写真の掲載は義務ではありません。弁護士等の業務広告に関する規程第9条が求めるのは、氏名と所属弁護士会の表示です。弁護士法人なら名称と主たる法律事務所、所属弁護士会を示します(広告の対象が従たる事務所ならその名称でも可)。写真の掲載を求める条文はありません。

氏名と所属、経歴、取扱分野がそろっていれば、相談者が知りたい情報は満たせます。写真を載せる場合は、事実に合致した肩書きと一緒に置きましょう。写真の代わりに経歴や所属する会、取扱分野の実務年数を並べても判断材料になります。

筆者の実感では、ホームページの印象を最後に決めるのは写真です。事務所の外観や執務室の写真でも、雰囲気は伝わるでしょう。

複数の資格をもつ場合、どう分ける?

資格ごとに広告の規律が違うため、ページも資格ごとに分けるのが基本です。弁護士と税理士の両方をもつなら、同じページの中で両方の業務を並べると、どちらの規程で判断すべきかが曖昧になります。

禁止される表現は、規律の重い側に合わせておけば両方の規程に触れません。ただし、表示すべき事項は資格ごとに別で、弁護士は氏名と所属弁護士会、税理士は氏名または名称と会員である旨が必要です。

社労士のように、資格の中で名乗れる肩書きが分かれる場合もあります。特定社会保険労務士は2025年3月31日現在で14,405人で、紛争解決手続の代理業務を扱えます。名乗る資格と扱える業務の範囲を、ページ単位で対応させましょう。

士業のホームページ集客について解説しました

士業のホームページ集客は、資格によって効く順番が変わります。期限のある手続きを扱うなら受け皿の整備を先に、顧問のように検討が長い業務なら判断材料を積み上げるページを先に置きましょう。

広告に書ける表現も、弁護士の会規から行政書士倫理の1条まで規律の重さが違います。まずはご自身の会規と会則を開き、表示できない事項と保存が必要な記録を確認するところから始めましょう。

そのうえで、料金の幅と条件、相談から受任までの流れをページに書き足せば、問い合わせの中身が変わります。制作や改善の進め方に迷う場合は『レノワード企画』へご相談ください。

参考サイト

この記事を書いた人

レノワード企画 代表

Webライター・ディレクター歴5年以上。SEO記事1,000本以上の執筆経験と、Google認定の専門資格をもとに、この記事を執筆しています。元介護福祉士(介護現場11年)。埼玉・杉戸町/春日部市近隣を中心に、ホームページからチラシ・名刺まで一人で一貫制作しています。

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