クリニックホームページ制作の費用は?相場と医療広告の注意点も解説

クリニックホームページ制作の費用は?相場と医療広告の注意点も解説

開業準備でホームページの制作会社を探し始めると「医療専門」を掲げる会社が何社も出てきます。費用も月額5,000円ほどから数百万円まで開きがあり、何を基準に選べばよいのか判断できないまま時間が過ぎていないでしょうか。

この記事では、クリニックホームページ制作の費用相場と支払い方式の違い、依頼先の選び方と依頼の時期を整理します。あわせて、掲載必須項目や医療広告等ガイドラインで禁止される表現、自由診療と書面掲示への対応も解説します。

この記事を読めば、開業予算に組み込める金額感と依頼先を絞る基準が定まり、自院のサイトに載せる項目まで決められるでしょう。これから作る場合も、既存のサイトを見直す場合も同じ判断軸が使えます。

※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。

クリニックホームページ制作が必要な理由

開業準備では内装や医療機器の選定に目が向きやすく、ホームページの制作は後回しになりがちです。ただ、患者が受診先を決めるまでの流れをたどると、開業前に用意しておく理由がはっきりします。

ここでは、患者がどのように医院を探し、何を見て受診先を決めているのかを2つの視点から解説します。

受診前にほかの医院と比べられるから

厚生労働省の受療行動調査によると、普段医療機関にかかるときに情報を入手している人は外来で80.7%にのぼります。特に情報を入手していない人は16.3%にとどまります。

入手先で最も多いのは家族・友人・知人の口コミで68.4%、次いで医療機関が発信するインターネットの情報が28.8%です。口コミで名前を聞いたあと、サイトで診療内容を確かめてから受診先を決める患者が一定数いると読み取れます。

サイトが見つからなければ、患者は判断材料のないまま次の候補へ移ってしまうでしょう。開業直後は口コミの蓄積が乏しく、サイトが主要な判断材料になります。近隣の医院と並べて比べられる前提で、診療時間や診療内容を先にそろえておきましょう。

地域名や症状名で医院を探されるから

クリニックの商圏は患者が通える範囲に限られるため、地域名と診療科を組み合わせた検索で見つけてもらう設計が中心になります。たとえば、市区名や最寄り駅名を診療科と並べた語が患者の入口です。

Googleは地域に関する検索結果の順位を、関連性・距離・知名度の3つで判断すると公表しています。関連性は検索語句とプロフィールが合致する度合いを指し、距離は検索している人から医院までの近さ、知名度は医院がどれだけ広く知られているかを表します。

ホームページがなければ、このうち関連性を判断する材料がほとんど残りません。診療科や対応できる症状、所在地を自院のサイトに明記しておくと、地域で探している患者に届く可能性が高まります。

クリニックホームページ制作の費用相場

制作費を左右するのは、テンプレートを使うか一から設計するかの違いです。クリニックのホームページ制作費には公的な統計がないため、ここでは基準日の明らかな民間の情報を突き合わせた目安を示します。

初期費用の3つの型と、公開後に毎月かかる費用に分けて見ていきます。

テンプレート型の初期費用

あらかじめ用意されたデザインの型に自院の情報を流し込むテンプレート型は、初期費用10〜50万円が目安です。ページ構成が決まっているため、制作期間も2〜4週間ほどで済むケースが多くなります。

10万円を下回るプランもありますが、この価格帯は既存デザインの色や写真を差し替える範囲にとどまるものが多く見られます。検索対策や地図での対策をどこまで含むのかは、プランごとに確認しておきましょう。

診療時間、医師紹介、アクセスといった基本のページがそろえば足りるなら、テンプレート型でも患者が知りたい情報は届けられます。開業後に患者の反応を見てから作り替える前提であれば、初期の負担を抑える選び方として現実的です。

オリジナル制作の初期費用

デザインから設計する制作は、初期費用50〜150万円が中心です。写真撮影や原稿作成、予約までの導線設計が含まれるため、テンプレート型との差はページの見た目だけにとどまりません。

予約システムとの連携やブランディングの設計まで加えると100〜200万円、採用サイトの併設や独自の更新システムを組むと200万円以上が目安です。一から設計する制作は情報の整理に時間がかかるため、期間も2〜4か月ほど見込んでおきましょう。

自院の強みを診療科ごとに書き分けたい場合や、自費診療の説明を丁寧に載せたい場合は、この価格帯を検討する価値があります。反対に、載せる情報が少ない段階で高い価格帯を選ぶと、使わないページに費用を払う結果になります。

サブスク型の月額費用

サブスク型は、初期費用を0円に抑え、毎月の定額で制作から運用までを提供する方式です。クリニック向けでは月額5,000円前後から用意され、上位のプランでも月額2〜3万円台が中心ですが、コンサルティングや広告運用まで含むプランはこれを上回ります。

初期の持ち出しがほとんどないため、開業にかかる資金を医療機器や内装へ回せる点が利点です。診療時間の変更やお知らせの追加を運営会社に任せられるプランもあり、院長が手を動かす場面を減らせるでしょう。

一方で、最低契約期間が1年、契約期間そのものが2〜5年に設定されているサービスも見られます。月額が安く見えても、契約期間の総額と解約時の扱いを確かめないと、想定より高い買い物になります。

公開後にかかる保守運用費

制作費を払えば終わりではなく、公開後も維持のための費用が続きます。ドメインとサーバー、SSL証明書の維持で月額数千円、更新や保守を制作会社に任せる場合は月5,000円〜5万円が目安です。

検索対策や地図での対策を別契約にする会社もあり、この場合は月数万円から数十万円が上乗せされます。開業直後は新患の見通しが立たないため、まず保守だけを契約し、成果を見てから広告や検索対策を足す進め方が無難でしょう。

見積書を受け取ったら、初期費用と月額費用を分けて3年分の総額を出しておきましょう。初期費用が10万円安い会社でも、保守費が月3,000円高ければ3年で総額が逆転します。

クリニックホームページ制作の支払い方式の比較

同じクリニックのサイトでも、毎月定額を払い続ける方式と、初めにまとめて払う方式では総額も所有関係も変わります。料金表を並べただけでは、どちらが自院に合うのかを判断できません。

ここでは総支払額、初期の負担、解約後に残るものの3点で比べていきます。

月額制の総支払額

月額制は初期費用を抑える代わりに、支払いが契約している間ずっと続く方式です。月額5,000円なら3年で約18万円、5年で約30万円になります。月額1万円であれば3年で約36万円、5年で約60万円です。

初期費用0円の表示は、制作にかかった費用を月額へ振り替えて回収する仕組みだと理解しておきましょう。医療機器のリースと同じで、月々の負担が軽い代わりに払い終わりがない点が特徴になります。

数年で作り替える前提なら、この方式は負担を抑えたまま使えます。

関連記事:ホームページサブスクと買い切り型の違いとは?費用や選び方を解説

買い切り型の初期負担

買い切り型は制作費をまとめて払い、完成したサイトを自院の資産としてもつ方式です。初期費用は10万〜300万円と幅があり、公開後は保守費として月5,000円〜5万円がかかる場合があります。

月額1万円の月額制と初期30万円の買い切り型は、保守費を除いて比べると30か月ほどで総額が並びます。ただし、保守費が月1万円かかる契約なら、買い切り型は3年で約66万円となり、月額制の約36万円を上回る計算です。

期間月額1万円の月額制初期30万円の買い切り型
3年約36万円約30万円+保守費
5年約60万円約30万円+保守費

見積もりを比較するときは、保守費と更新の頻度まで条件をそろえます。開業後10年近く同じサイトを使う想定なら、初期の負担が重くても買い切り型が合うでしょう。

解約後のサイトの扱い

月額制で特に確認しておきたいのは、解約したあとにサイトが手元へ残るかどうかです。契約上はサイトを買うのではなく借りる扱いになっている場合があり、解約と同時に公開が止まり、データを引き継げないケースもあります。

ドメインが制作会社の名義で登録されていると、これまで案内してきたURLも使えなくなります。制作会社のドメインの下にページを置くサービスでは、自院独自のURLをもちません。

契約前に確かめたい点は、次のとおりです。

  • ドメインとサーバーの名義
  • 解約後のデータの引き渡し
  • 最低契約期間の長さ
  • 中途解約時の請求額

解約後もデータやドメインを引き継げる会社や、契約を一定期間続けると所有権が移るサービスもあります。月額の安さだけで決めず、数年後に別の会社へ移れる契約かどうかを見積もりの段階で確認しましょう。

クリニックホームページ制作の依頼先の選び方

「医療専門」を掲げる制作会社は数多く、各社のサイトを見比べても違いがはっきりしません。判断の軸を院長側がもたないままだと、提案の見栄えや価格だけで決めてしまいます。

ここでは、医科クリニックの発注で外せない3つの確認点を解説します。

医療機関の制作実績を確認する

制作実績は件数ではなく、同じ診療科での実績があるかどうかを見ます。内科と美容皮膚科では患者の探し方も載せる情報も違うため、実績数が多くても自院の参考にならない場合があります。

納品したサイトのURLを提示してもらい、公開後も更新が続いているかまで確認しましょう。公開時点の見た目だけでは、運用まで支えられる会社かどうかを判断できません。

見積もりは3社程度から取り、ページ数と含まれる作業をそろえて比較します。表示価格には原稿作成や写真撮影、スマートフォン対応が含まれていない場合があるため、見積書の内訳まで読み込む必要があります。

関連記事:ホームページ制作会社の選び方7基準|費用相場と契約の注意点も解説

医療広告規制への理解を見極める

医療広告等ガイドラインへの対応は、制作会社によって理解の深さが分かれます。「ガイドライン対応」と書いてあっても、禁止される表現を避けるだけで、限定解除の要件まで踏まえた提案ができるとは限りません。

打ち合わせで聞いておきたい質問は、次のとおりです。

  • ガイドライン対応で修正した事例
  • 体験談や症例写真の扱い方
  • 自由診療ページの作り方
  • 改正時の情報提供の有無

医療広告の規制は「何人も」を対象にしており、広告を企画・制作した制作会社も、違反があれば依頼した医療機関とともに指導等の対象となり得ます。中止命令や是正命令に従わなかった場合の罰則は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

ただし、最終的な責任は掲載している医療機関側に残るため、制作会社の理解度を確かめる作業は院長の仕事になります。

公開後の更新体制を確かめる

クリニックのサイトは公開後の更新が多く、診療時間の変更や休診のお知らせ、医師の交代を反映し続ける必要があります。更新が止まったサイトは情報が古いまま残り、患者に不信感を与えます。

院長は診療をしながら発注者も務めるため、更新作業まで抱え込むと続きません。管理画面から自院で直せる範囲、制作会社へ依頼する範囲、それぞれの費用と対応日数を契約前に切り分けておきましょう。

急な休診を当日中に反映してほしい場面も出てきます。休日や夜間の連絡方法、依頼から反映までの目安時間を確認しておくと、開業後に慌てずに済みます。更新1回あたりの料金なのか月額に含まれるのかも、見積書で分けて確かめておきましょう。

クリニックホームページ制作を依頼する時期

開業日は動かせないため、ホームページの公開が間に合わないと開業当初の新患を取り逃します。制作期間だけでなく、原稿の確認や写真撮影に院長自身の時間も必要です。

ここでは、開業日から逆算した相談の時期と、依頼してから公開までの流れを整理します。

開業日からの逆算

相談を始める時期は、開業のおよそ3〜6か月前が目安です。テンプレート型なら2〜4週間で公開できるサービスもありますが、原稿の確認と写真撮影の日程調整に時間がかかるため、制作期間だけで逆算すると間に合いません。

開業の直前から直後にかけては、保健所への診療所開設届や保険医療機関の指定申請も重なります。開設届は開設後10日以内の提出が必要です。指定申請の提出先も管轄する地方厚生局の事務所ごとに分かれるため、事務手続きが集中する時期を避けて制作の打ち合わせを入れておきましょう。

内覧会の案内をサイトに載せる予定があれば、さらに前倒しが必要です。開業日ではなく告知を始めたい日を起点にして、制作の開始時期を決めましょう。

依頼から公開までの流れ

制作はヒアリングから始まり、デザインの確認、原稿と写真の用意、公開前のページ確認と進みます。このうち院長の時間を使うのは、ヒアリングと原稿の確認、写真撮影の3つです。

原稿は制作会社が下書きを用意しても、診療内容の正誤と医療広告等ガイドラインへの適合は院長が確かめる必要があります。ここで確認が滞ると、公開日が後ろにずれる原因になります。

公開までの期間は制作の型で変わり、テンプレート型は2〜4週間、既製のパッケージを使う場合は1〜2か月、一から設計する場合は2〜4か月が目安です。開業日が決まった段階で公開希望日を制作会社に伝え、原稿の締切を先に押さえておきましょう。

クリニックホームページ制作の掲載必須項目

医療機関のサイトは広告規制の対象になるため、載せてよい項目があらかじめ決められています。制作会社が用意するページ構成に任せるだけでは、広告できる情報を載せ切れていない場合があります。

ここでは、医療法で広告が認められている項目のうち、患者が受診を判断するときに必要な4つの要素を見ていきましょう。

診療時間と休診日の表示

診療日、診療時間、予約による診療の実施の有無は、医療法で広告が認められている項目です。医療広告等ガイドラインも、患者に提供されるべき情報として可能な限り記載するのが望ましいとしています。

表記には幅があり、診療日を並べる代わりに休診日だけを示す書き方でも差し支えありません。午前は院内で診療し午後は往診に出る体制なら、その旨を書いても問題ありません。

健康診断の実施日と実施時間も、診療時間に含まれる情報として広告できます。費用や取り扱う人数まで載せて差し支えないため、健診に力を入れる医院は受診の判断材料として書いておきましょう。

医院の名称や電話番号、所在地、管理者である院長の氏名も広告できるため、トップページからすぐ見つかる場所に置いておきます。

医師の経歴と顔写真

医師の氏名・年齢・性別・役職・略歴は広告が認められている項目です。院長がどのような経験を積んできたかは受診の判断に直結するため、開業前でも先に整理しておきましょう。

略歴として書けるのは、次のような内容です。

  • 生年月日と出身校
  • 学位と免許の取得日
  • 勤務した医療機関と期間
  • 学会や職能団体での役職

このうち勤務先の診療科は、広告が認められている診療科名の範囲でしか書けません。役職として書けるのは院長や副院長など自院での立場を指し、学会での役職は略歴のほうに含めます。

専門医の資格を載せるときに必要なのが、認定した団体名の併記です。団体名のない「〇〇専門医」は誇大広告にあたります。「厚生労働省認定〇〇専門医」は虚偽広告として指導の対象になるため、必ず「〇〇学会認定〇〇専門医」の表記にしましょう。

診療科目と対応できる症状

サイトに書ける診療科名は、医療法施行令で定められたものに限られます。単独で広告できるのは、内科と外科のほか小児科・皮膚科・眼科・耳鼻いんこう科などです。

臓器や疾患の名称と組み合わせた「糖尿病・代謝内科」のような表記も認められています。2008年の改正で広告できなくなった「呼吸器科」「消化器科」などは、現在は「呼吸器内科」のように内科や外科と組み合わせて書きます。

「専門外来」は広告できる診療科名と誤解される表記のため、看板やチラシでは使えません。ただし、自院サイトでは限定解除の要件を満たせば掲載できます。

保険診療や健康診断の範囲なら、糖尿病や花粉症などの治療を実施している旨は書けます。医師1人あたりの主たる診療科名は原則2つ以内のため、標榜を広げすぎない設計にしましょう。

Web予約と電話への導線

予約による診療を実施しているかどうかも、サイトに書ける項目です。予約の要否と方法がわからないと、患者は電話をかけるか迷ったまま離脱するでしょう。

スマートフォンで見たときに、電話番号と予約ボタンが画面の見える範囲にあるかを確かめましょう。診療時間内は電話、時間外はWeb予約と入口を分けておくと、受付の負担も抑えられます。

初診の患者が気にするのは、持ち物や受付から診察までの流れです。保険証の扱いや紹介状の要否、駐車場の有無まで書いておくと、電話での問い合わせを減らせます。

予約から受診までの導線は開業後に見直す前提で作り、実際の問い合わせ内容を見ながらページを足していきましょう。

クリニックホームページ制作で禁止される表現

医療機関のホームページが医療法上の広告規制の対象になったのは、2018年6月1日です。それ以前は自主的な取り組みにとどまっていましたが、現在は違反があれば行政指導や命令の対象になります。

ここでは、院長が原稿の段階で判断できるように、禁止されている代表的な3つの表現を取り上げます。

患者の体験談の掲載

治療の内容や効果に関する患者の体験談は、書かれている内容が広告できる範囲であっても、医療機関のサイトには載せられません。患者の主観や伝聞に基づく情報にあたるため、省令が広告を禁じています。

厚生労働省の事例解説書が違反例として挙げるのは、口コミサイトからの転載、スタッフが書いた体験談、医療機関を検索できるサイトに載った体験談の編集依頼です。自院に有利な感想だけを選んで載せると、誇大広告としても扱われます。

一方、患者が個人のブログやSNSに書いた感想や第三者が運営する口コミサイトへの投稿は、医療機関が費用を負担して依頼するなどの働きかけがなければ広告にあたりません。自院が誘引の意図をもって関与したかどうかで判断が分かれます。

治療前後の写真の掲載

治療の前後を並べた写真は、効果を強調するものとして原則禁止されています。ただし、通常必要とされる治療内容や費用、主なリスクや副作用の詳しい説明を添えた場合は、この禁止にあたりません。

説明を写真の下に極端に小さい文字で置く見せ方は認められておらず、患者が読める大きさと場所で示す必要があります。治療効果そのものは広告できる項目ではないため、自由診療で写真を使うなら後述する限定解除の要件も満たさなければなりません。

写真の加工や修正は虚偽広告として扱われます。照明や角度、撮影の条件を変えて効果を大きく見せる撮り方も、誇大広告にあたる点に注意しましょう。

「日本一」などの最上級表現

「日本一」「ナンバーワン」「最高」といった最上級の表現は、ほかの医療機関より優れていると示す比較優良広告として禁止されています。客観的な事実であっても、この規制の対象から外れません。

厚生労働省は例として「当院は県内一の医師数を誇ります」「著名人も当院で治療を受けております」を挙げています。実際に医師数が最も多い医院であっても、この書き方は使えません。

費用を強調する表現も、品位を損ねる広告として認められていません。「今なら〇円でキャンペーン実施中!」「期間限定で〇〇療法を50%オフ」のような書き方が該当します。

「絶対安全な手術です」や、根拠と調査方法を示さない「満足度〇%」は虚偽広告にあたるため、実績を数字で見せたい場合ほど出典の扱いに注意しましょう。

クリニックホームページ制作で自由診療を載せる条件

自費のワクチン接種やAGA・ED治療、自費の健康診断は、保険診療とは扱いが変わります。通常は広告できない情報でも、限定解除と呼ばれる要件を満たせばサイトに載せられます。要件は4つあり、自由診療ではこのうち2つが追加で必要です。

ここでは、医科クリニックが押さえておく条件を順に解説します。

問い合わせ先の明示

はじめの2つの要件は、自院サイトそのものに関する条件です。1つ目は患者が自ら探して見にくるサイトかどうか、2つ目は問い合わせ先を明示しているかどうかを問われます。

電話番号やメールアドレスを載せ、患者が容易に照会できる状態にしておきます。1つ目の要件が効いてくるのは、広告を出すときです。

バナー広告や検索連動型広告のように、費用を払って意図的に上位へ表示させたものは、患者が自ら求めて入手する情報にあたりません。自院サイトの自費診療ページは限定解除の対象になりますが、同じ内容をリスティング広告の文面に載せると対象外です。広告出稿を考えている場合は、サイトと広告で書ける範囲が違う点を制作会社にも共有しておきましょう。

関連記事:歯科ホームページ制作の費用相場は?選び方から集患のコツまで解説

治療内容と費用・リスクの情報提供

残る2つの要件は、自由診療の情報提供で追加されます。3つ目は通常必要となる治療内容と標準的な費用、治療期間や回数の記載で、4つ目は主なリスクと副作用です。

費用が一律に決まらない診療では、最低金額から最高金額までの幅を、追加費用も含めて示します。リンク先の別ページに分けたり、極端に小さな文字で載せたりする書き方は認められていません。

自費のワクチンやAGA治療のように、料金が患者ごとに変わる診療ほど書き方が難しくなります。なお、国内で承認されていない医薬品や、承認された効能・効果と異なる使い方をする診療では、追加の記載が必要です。

未承認である旨や入手経路、諸外国での安全性情報、救済制度の対象外である旨をあわせて示します。1回あたりの費用と回数の目安、想定される副反応を同じページにそろえましょう。

クリニックホームページ制作に必要な書面掲示

保険医療機関が院内に掲示している内容は、原則としてホームページにも載せなければなりません。制作会社の標準的なページ構成には含まれていない場合があるため、依頼の段階で伝えておく必要があります。

ここでは、掲載が求められる内容と対応の期限を整理します。

掲載が必要な掲示事項

厚生労働省の通知は、保険医療機関の院内掲示事項を原則としてウェブサイトにも載せるよう定めています。対象は自ら管理するホームページをもつ保険医療機関で、サイトをもたない医院は対象外です。

掲示とウェブ掲載が求められる事項は、次の5つです。

  • 入院基本料に関する事項
  • DPC対象病院である旨
  • 地方厚生局への届出事項
  • 明細書の発行状況
  • 保険外負担に関する事項

無床の診療所では、後半の3つが実際の掲載対象です。届出事項は、届け出た内容のうち患者が受けられるサービスを示すもので、加算名を並べるだけでは足りません。

保険外負担では、法令によらず患者から受け取っている品目と実費を、品目ごとの単価まで掲載します。「施設管理費」「雑費」といった曖昧な名目での徴収はできないため、掲載の準備は院内の料金の棚卸しも兼ねます。

対応が求められる時期

ウェブサイトへの掲載が求められるようになったのは2024年度の診療報酬改定からで、経過措置が終わった2025年6月1日以降は原則として対応が必要です。「2025年4月から」と説明する情報も見かけますが、経過措置の期限は2025年5月31日でした。

2026年度の改定後に出た通知でも、ウェブサイトへの掲載を求める規定は続いています。すでに開業している医院で対応が漏れている場合は、早めにページを追加しましょう。

これから開業する場合は、ホームページの公開と同時に掲示のページを用意します。開業後に届出を追加したときも掲載内容の更新が必要になるため、院長が管理画面から直せる作りにしておくと運用が楽になります。

クリニックホームページ制作で新患を増やす方法

サイトを公開しても、患者に見つからなければ来院にはつながりません。医科クリニックの商圏は限られるため、全国を相手にする検索対策ではなく、地域の患者に届く設計を優先します。

ここでは、公開後に取り組む2つの施策を紹介します。

地域名と診療科で検索対策する

患者が使う検索語は、地域名と診療科の組み合わせが基本です。区名や町名だけでなく、最寄り駅名やバス停名で探す患者もいるため、通える範囲の地名をページ内に書いておきます。

診療科ごとにページを分け、その科で扱う症状や検査を書いておくと、症状名で探している患者にも届きます。ただし、書ける範囲は広告の規制を受けるため、保険診療や健康診断の枠を超える表現は使えません。

「専門外来」は限定解除の要件を満たさない限り使えないため、たとえば「糖尿病の治療に対応しています」と診療の内容で示します。診療圏に競合が多い場合ほど、診療時間の長さや土曜診療の有無で選ばれるため、検索対策とあわせて診療体制の情報も整えましょう。

Googleビジネスプロフィールを整える

地域の検索結果や地図に表示される情報は、Googleビジネスプロフィールから配信されます。関連性・距離・知名度の3つのうち医院側が手を入れられるのは関連性と知名度で、登録内容の精度が表示に影響します。

整えておきたい項目は、次のとおりです。

  • オーナー確認の完了
  • 看板どおりの正確な医院名
  • 実際の所在地と診療時間
  • 中核となる診療のカテゴリ
  • 院内や外観の写真

医院名にキャッチコピーや電話番号、記号を足す書き方は使えません。クチコミへの返信もオーナー確認を済ませてから可能になり、投稿した内容はGoogleの審査を経て表示されます。

患者から届いたクチコミを自院サイトへ転載すると体験談の規制にふれるため、返信はGoogle上にとどめましょう。

関連記事:Googleのクチコミ|増やす・返信・低評価対応を解説

クリニックホームページ制作でよくある質問

制作の相談では、規制への対応と費用の工面について同じ質問が繰り返し出ます。どちらも判断を誤ると、公開後の修正や資金計画のやり直しが必要です。

最後に、開業前の院長から特に多い2つの疑問にお答えします。

制作会社に任せれば規制違反は防げる?

制作会社に任せても、掲載内容の責任は医療機関側に残ります。規制の対象には広告を企画・制作した制作会社も含まれますが、それで医院の責任がなくなるわけではありません。

医療広告等ガイドラインは、広告を出す側の責務として、患者が適切に治療を選べる客観的で正確な情報の提供を求めています。この責務は広告を出す者すべてに課されますが、是正命令や行政処分の相手方になるのは医院の開設者と管理者です。

実務では、公開前の原稿を院長が読み、診療内容と表現の両方を確認する工程を入れます。違反が見つかった場合はまず行政指導が入り、従わなければ中止命令や是正命令に進み、命令に至った事例は原則として公表されます。

制作費に使える補助金はある?

クリニックのホームページ制作費に使える補助金は、原則としてありません。小規模事業者持続化補助金は、公募要領の「補助対象にならない者」に医師と歯科医師、医療法人を挙げています。

個人開業でも医療法人でも対象外で、開業届上の開業日が申請日より後の創業予定者も申請できません。法人化すれば使えると説明する情報もありますが、公募要領の記載とは食い違う内容です。

デジタル化・AI導入補助金2026は医療法人も補助対象者に含まれます。ただし、補助の対象は事務局に登録されたITツールに限られます。

登録要領はホームページ制作やサイト制作の追加開発費、広告宣伝に類するものを対象外と定めており、制作費そのものは補助を受けられません。開業資金の中で制作費を組み立てる前提で、支払い方式と初期費用の水準を選びましょう。

クリニックホームページ制作について解説しました

クリニックのホームページ制作は、テンプレート型なら10〜50万円、一から設計するなら50〜150万円が初期費用の目安です。月額制と買い切り型は毎月の負担も解約後の扱いも違うため、契約期間の総額とドメインの名義まで確かめてから選びましょう。

医科クリニックでは診療科名や医師の略歴に書ける範囲が決まっており、体験談や治療前後の写真、最上級の表現には規制があります。保険医療機関の書面掲示をウェブサイトにも載せる対応も必要です。

まずは開業日から逆算して相談の時期を決め、掲載する項目と原稿の担当を切り分けます。これから作る場合も、既存のサイトを見直す場合も、判断の軸は同じです。

自院に合う進め方で迷ったら、開業予定日と載せたい診療内容を整理したうえで『レノワード企画』へご相談ください。

参考サイト

この記事を書いた人

レノワード企画 代表

Webライター・ディレクター歴5年以上。SEO記事1,000本以上の執筆経験と、Google認定の専門資格をもとに、この記事を執筆しています。元介護福祉士(介護現場11年)。埼玉・杉戸町/春日部市近隣を中心に、ホームページからチラシ・名刺まで一人で一貫制作しています。

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