開業のときに作ったホームページが、公開から数年たっても問い合わせにつながらないままになっていないでしょうか。顧問先や金融機関からの紹介で回してきた事務所ほど、検索から来る経営者に向けた設計は後回しになっている場合もあります。
この記事では、税理士のホームページ集客について伸びない理由と見直す7項目を整理し、広告規制や費用、繁忙期の回し方まで解説します。
この記事を読めば、いまのページのどこから直すかの順番が決まり、ご自身で手を入れる範囲と外注する範囲を線引きできるでしょう。
※本記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。
税理士の集客でホームページが果たす役割
税理士事務所のホームページを見にくるのは、新しい顧問先を探して検索した経営者だけではありません。顧問先や金融機関から名前を聞いた経営者も、依頼を決める前に事務所を調べます。
入口が2つあるとわかれば、どのページに何を載せるかの優先順位も決められます。
ここでは検索経由と紹介経由に分けて、ホームページが担う役割を見ていきましょう。
検索で最初に見られるページ
税理士を検索で探す経営者は、地図の表示と通常の検索結果の両方を見ます。地図に出るGoogleビジネスプロフィールにも説明文やサービスの欄はありますが、字数と項目が決まっています。業務の中身や料金の考え方を順を追って伝えられるのは、ホームページの側です。
地図の枠で上位に出す施策はMEO(地図検索対策)と呼ばれ、事務所の場所を知ってもらう段階を受けもちます。顧問契約を任せるかどうかの判断材料は、ホームページ側にしか置けません。
そのため、地図の情報だけを整えても問い合わせは増えにくいままです。事務所名で検索した相手が最初に開くページに、取扱業務と料金の目安、所長の顔が並んでいるかを確かめましょう。
関連記事:MEO対策の相場は月額いくら?回収ラインと料金体系の違いを解説
紹介された後に確認される場所
顧問先や金融機関から名前を伝えてもらった相手も、連絡する前に事務所を調べます。紹介で生まれた接点を受任につなげるには、調べられる前提でホームページを整えておきましょう。
中小企業庁の2020年版小規模企業白書によると、公的な支援メニューを知ったきっかけは、企業規模を問わず日常的な経営の相談相手からの人づてが最も多くなっています。人づてで動く経営者が多いなら、その次に開かれる場所を整える価値もあります。
紹介元が伝えられるのは「相続に強い先生」といった一言です。受け取った側は、その裏づけを事務所のホームページで探します。並んでいるのが事務所名と住所だけなら、確かめる材料がないまま連絡をためらう状態になるでしょう。
税理士のホームページ集客が伸びない理由
公開から数年たっても問い合わせが来ないホームページには、共通した理由があります。原因の多くは作りの粗さではなく、集客を想定していない設計そのものです。
設計に原因があるなら、ページを足すより先に設計を見直す順番になります。
ここでは、伸び悩みの背景にある2つの設計を解説します。
紹介前提の名刺代わりだから
開業のときに作ったホームページは、紹介で名前を聞いた相手に見せる名刺として設計されている場合があります。名刺として作られたページは、すでに事務所を知っている相手には足りていても、検索から初めて訪れた経営者には判断材料が足りません。
名刺設計のページに並ぶのは、事務所名と住所、電話番号、所長の略歴あたりです。訪れた経営者が知りたいのは、任せられる業務の範囲と費用の見当、相談してからの流れになります。初めて訪れた相手は、名刺代わりの4項目では依頼するかどうかを決められません。
見分け方は簡単で、いまのトップページから事務所名を隠して読んでみましょう。ほかの事務所と入れ替えても文章が成り立つなら、集客のための設計にはなっていません。
総合型で強みが伝わらないから
取扱業務の欄に法人税・相続税・消費税・記帳代行と並べると、幅広く見える一方でどの相談に強いのかは伝わりません。総合型のページを見た経営者は「うちの場合はどうか」を判断できないまま離れます。
経営者が探しているのは幅広く対応できる事務所そのものではなく、自社の税目と業種に近い経験をもつ相手です。建設業の決算を毎年見ている事務所と、相続の申告を年に何件も扱う事務所では、選ぶ経営者が変わります。
幅広さを打ち出すほど、読んだ経営者は自社の相談が主力なのか片手間なのかを判断できません。同じ地域に似た見せ方の事務所が並ぶと、決め手のないまま比較が終わります。強みを絞り込む手順は、次章の1つ目で解説します。
税理士のホームページ集客で見直す7項目
ここからは、いま公開しているホームページのどこを直すかを7つに分けて整理します。新しいページを増やす話ではなく、すでにある文章と写真の手直しが中心です。
7項目は、直した効果を早く確かめられる順に並べています。
まずは、事務所の見せ方を決める1つ目から見ていきます。
得意な税目と業種を1つに絞る
トップページの取扱業務が5つ以上並んでいるなら、絞り込みの検討対象です。見直しの単位は業務名の削除ではなく、看板として前に出す1つを決める作業になります。
決め方は、税目と業種の掛け合わせで考えます。直近3年の顧問先を数えて、最も多い業種と、その業種で毎年扱っている税目を書き出しましょう。決算期の偏りや依頼のきっかけになった相談内容も並べると、看板にする組み合わせを絞り込めます。
建設業の法人税、飲食店の消費税、不動産オーナーの相続税のように2軸で示せると、探している経営者に伝わります。残りの業務は下層ページに置いておけば足りるので、削る心配は要りません。
顧問料の目安を先に載せる
料金のページに「応相談」とだけ書いてあるなら、最初に直す候補です。税理士報酬の最高限度額を定めた規定は平成14年3月31日に廃止されており、税理士会が示す料金の目安は存在しません。
つまり、相場を把握する手がかりは各事務所が出す金額しかありません。問い合わせないと料金がわからないままだと、経営者は金額を出している事務所から順に検討を進めます。
載せるのは1円単位の確定額ではなく、判断できる幅で十分です。年商や仕訳数の区分ごとに月額の目安を示し、記帳代行と決算申告を別立てにすると、読んだ側が自社の負担を計算できます。
筆者が料金表を作るときは、区分を3つに分けます。真ん中が選ばれる並びになるためです。
ただし、廃止された旧規定と比べて安いと思わせる書き方は、誤導的な広告に当たります。
商圏の地域名をページに入れる
事務所の所在地が会社概要のページにしか書かれていないなら、地域名の置き場所から見直しましょう。経営者は「税理士 ○○市」のように地域名を足して検索します。トップページや業務ページに地域名が1度も出てこないと、地域で絞って探している経営者に見つけてもらいにくくなります。
入れるのは住所の再掲ではなく、対応できる範囲を示す言葉です。訪問できる自治体とオンライン面談で対応する地域を書けば、読んだ側が距離の見当をつけられます。あわせて、細則で表示が求められている所属税理士会(会員である旨)も忘れずに載せましょう。
商圏の広さは、決算期に何度訪問できるかで決まります。隣接する市まで広げて書く場合は、実際に訪問できる範囲にとどめましょう。行けない地域まで並べると、初回の面談で断る話が増えるでしょう。
顧問先の業種と規模を実績で示す
実績の欄が「顧問先200社」の数字だけなら、中身を足す余地があります。経営者が知りたいのは総数ではなく、自社と近い規模と業種の相手を扱った経験があるかどうかです。
書き方は、業種と従業員規模、相談のきっかけの3点でそろえます。「従業員10名の建設会社から、決算期の資金繰りの相談を受けた」のように書けば、社名を出さなくても近さは伝わります。個別の案件を載せる場合は、書面の同意を先に受け取っておきましょう。
注意したいのは、顧問先の名称やいま扱っている案件を載せる場合の手続きです。税理士会の細則は、顧問先の氏名や名称、現在または過去に扱った事案の表示に、顧問先の書面による同意を求めています。同意を取れない案件は、個別の事案として書かず、取扱いの多い業種と規模の傾向にとどめましょう。
所長の経歴と顔写真を出す
プロフィールが氏名と登録番号だけなら、顔写真と経歴を足す番です。顧問契約は何年も続く関係なので、経営者は業務の中身と同じくらい、任せる相手の人物像を見ています。
載せるのは、開業年とそれまでの職歴、扱ってきた分野、登録している税理士会です。筆者の経験では、サイトの印象を最後に決めるのは写真です。正面から撮った明るいものを用意しましょう。
前職が税務署や国税局なら、書き方に注意が必要です。税理士会の細則は、税務行政庁に在職していたときの役職名のうち管轄の地域名を冠した書き方を、顧問先の同意があっても表示できないと定めています。地域名を冠していない「元税務署長」は事実であれば書けますが、人脈の広さや調査への強さを誇る文言と並べると、過度な期待を抱かせる広告に当たります。
相談の入口を1つに決める
問い合わせフォームと電話番号とチャットが同じ強さで並んでいるなら、入口を絞る番です。選択肢が多いほど親切に見えますが、どれを選べばよいか迷った経営者はそのままページを閉じます。
顧問契約は毎月続く関係なので、いきなり契約を申し込む相手はまずいません。前段に置くのは初回の相談です。入口を1つに決めて、ページの上部と各業務ページの末尾に同じボタンを置きましょう。
入力欄が10個以上あるなら、減らす余地があります。入力項目は、氏名と連絡先、相談したい内容の3つで十分です。相談が無料か有料か、面談かオンラインか、返信までの日数を短く添えると、押す前の不安が減ります。
スマートフォンでの表示を直す
ホームページを開いて文字を拡大しないと読めないなら、スマートフォンでの表示から直しましょう。総務省の令和7年版情報通信白書によると、2024年の個人の端末別インターネット利用率はスマートフォンが74.4%で、パソコンの46.8%を27.6ポイント上回っています。
経営者が事務所を調べる場面も、移動中や打ち合わせの合間が中心です。パソコンの画面で整って見えるページが、手元の画面では読みにくくなっている場合があります。
確かめるのは、文字の大きさとタップで発信できる電話番号、指で押せる幅の入力欄の3点です。制作会社に任せている場合も、この3点を伝えれば、どこまで直せるかと必要な作業量の見積もりを出してもらえます。
税理士のホームページ集客で守る広告規制
強みを打ち出そうとすると、どこまで書いてよいのか迷う場面が出てきます。税理士の広告は、規制緩和の流れを受けて平成14年に税理士会の綱紀規則が改められ、原則として自由になりました。
ただし、細かな決まりは日本税理士会連合会が定めた業務の広告に関する細則にあり、書けない内容と守る手続きが並んでいます。
ここでは、ホームページの表現に関わる3つのルールを条文の順に紹介します。
禁止される広告の類型
税理士会の業務の広告に関する細則は、第3条で禁止される広告を7つ挙げています。事実に合致していない広告、誤導や誤認のおそれのある広告、誇大または過度な期待を抱かせる広告の3つに加えて、次の4つが並びます。
- 困惑させ、過度な不安をあおる広告
- ほかの会員や事務所と比較した広告
- 法令や会則、規則に違反する広告
- 信用や品位を損なうおそれのある広告
禁止される類型を6つで説明している記事もありますが、現行の細則は7つです。たとえば「いまのままでは追徴課税を受けます」と不安をあおる書き方は、4つ目の「困惑させ、又は過度な不安をあおる広告」に当たります。
事実を書く場合は、証明できる資料を残しておきましょう。細則は、事実に合致すると証明できなかった広告を、合致していない広告とみなせると定めています。
表示できない4つの広告事項
細則の第4条は、広告に表示できない事項を4つ定めています。税務行政庁に在職していたときの役職名のうち管轄の地域名を冠したもの、顧問先の氏名や名称、いま扱っている事案、過去に扱った事案の4つです。
このうち後ろの3つは顧問先から書面で同意を得れば表示できますが、地域名を冠した在職時の役職名は同意があっても表示できません。条文の「委嘱者」は、依頼をしている相手を指します。
地域名を冠した書き方とは、管轄の官公署名と役職名を並べたものです。「元○○国税局長」はこれに当たり、地域名の付かない「元税務署長」は対象から外れます。実績のページを作るときは、顧問先ごとに同意を書面で受け取りましょう。
広告記録を3年間残す義務
細則の第9条は、広告をした会員に記録の保存を求めています。保存の期間は広告が終わったときから3年間で、ホームページも保存の対象に入ります。事務所の場所を案内するだけのページは適用から外れますが、業務や料金を載せているページは対象です。
残すのは次の3つです。
- 広告物またはその複製や写真
- 広告の日時や場所などの記録
- 顧問先の同意を証する書面
ホームページの場合、細則の運用指針は書き換えるたびに書き換え前のデータを保存するよう求めています。ページを更新したら、更新前の画面を印刷するか、画面を保存した画像を日付付きで残しておきましょう。
作業としては、更新のたびに数分あれば済みます。税理士会から記録の提出を求められる場面に備えて、フォルダを年ごとに分けておくと探す手間が減ります。
紹介を活かす税理士のホームページ集客
新しい顧問先の入口を、検索だけに求める必要はありません。顧問先や金融機関からの紹介は、これまでも受任につながってきた経路であり、ホームページは紹介の後に見られる場所です。
ホームページが支える相手は、紹介する側と紹介された側の両方になります。
ここでは、紹介の流れを止めないための2つの手当てを見ていきます。
顧問先が説明しやすい業務一覧を置く
紹介元になるのは、いまの顧問先や取引のある金融機関の担当者です。紹介する側は税務の専門家ではないので、伝えられるのは事務所のページに書いてある言葉の範囲になります。
筆者のライターとしての仕事も、伸びたきっかけはすべて紹介でした。オンラインで完結する仕事でも、最後は人のつながりが入口になります。
そこで、業務の一覧を紹介元が読み上げられる粒度まで下げましょう。「法人顧問」ではなく「毎月の記帳の確認と年1回の決算申告、資金繰りの相談まで」のように、含まれる作業を並べて書きます。
あわせて、引き受けられない業務も添えておきましょう。登記や労務の手続きを別の士業に回す前提だとわかれば、紹介元は範囲を誤らずに話せます。
相談前の不安に答える情報を載せる
紹介を受けた経営者が最初に確かめるのは、業務の中身よりも連絡してからの流れです。いまの税理士に断りを入れる順番や、契約の切り替え時期を気にしている場合もあります。決算と申告が終わった直後は、契約を見直す区切りの時期です。
初回の相談が無料か有料か、何を用意すればよいか、契約までに何回会うのかを書いておくと、連絡までの迷いが短くなります。決算期の途中でも引き継げるかどうかも、よく聞かれる点です。
顧問料の見直しだけを相談したい相手もいます。前の事務所からの資料の引き継ぎ方や、切り替えにかかる期間まで書いておけば、紹介元も安心して名前を出せます。
税理士のホームページ集客にかかる費用
費用は、作り直すときの初期制作費と、公開後に毎月かかる運用費の2つです。回収を測るときは来店数ではなく、顧問料の月額と継続する件数で計算すると実態に合います。
たとえば、月3万円の顧問先が1件増えて3年続けば、売上は108万円です。
ここでは、外注する場合とご自身で手を入れる場合に分けて負担を整理します。
制作会社に依頼する場合の月額
制作会社に頼む場合の費用は、初期の制作費と月額の運用費に分かれます。初期の制作費は30〜200万円程度、公開後の運用費は月5,000円〜5万円程度が目安で、依頼する範囲によって幅が出ます。
差が出るのは月額の中身です。サーバーとドメインの管理だけの契約と、文章の差し替えや新しいページの追加まで含む契約では、同じ月額でも作業量が変わります。
契約前に確かめるのは次の3点です。
- 月に何回まで更新を頼めるか
- 新しいページの追加は別料金か
- 相談や報告の回数
作りっぱなしで成果が出ない状態は、更新の範囲を決めずに契約した場合に起こります。数字の報告を月1回受け取る取り決めにしておくと、効果を確かめながら進められるでしょう。
自分で手を入れる場合の負担
ご自身で手を入れる場合にかかるのは、費用よりも時間です。ドメインとサーバーの維持費は年5,000〜20,000円程度で、月額のサブスクリプション型なら月数千円から使えます。
文章の差し替えや料金表の更新は、管理画面から操作できる作りになっていれば数十分で終わります。制作会社に依頼した場合と違い、思いついたその日に直せるのが利点です。
ただし、ページを一から増やす作業やスマートフォンでの表示の調整は、慣れていないと時間がかかります。文章の手直しはご自身で、構造に関わる作業は外注へと分けると、繁忙期でも止まりません。分ける基準は、その作業の後戻りができるかどうかです。
繁忙期でも続く税理士のホームページ集客
税理士の1年には、動かせない繁忙期があります。所得税の確定申告と法定調書の提出が重なる1月から3月は、新しい作業を差し込む余地がほとんどない時期です。
この時期に更新の予定を入れると、集客の作業が真っ先に止まります。
ここでは、繁忙期を前提にした更新の回し方を3つに分けて解説します。
確定申告期を外した更新の時期
更新の予定は、繁忙期を避けて1年分を先に決めましょう。所得税の確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日までで、その直前の1月には法定調書の提出期限も入ります。
そのため、1月から3月にかけては新しいページを作る作業を入れない前提で組み立てます。動かせる時期は、4月から6月と9月から11月あたりです。
4月から6月に取扱業務と料金のページを直し、9月から11月に実績や事例を足す組み方なら、繁忙期に作業が残りません。12月と1月は、年末調整と法定調書に集中できるよう予定を空けておきましょう。更新が止まる時期があっても、公開したページは残り続けます。
月1時間で回せる更新の範囲
繁忙期でも止めないために、月1時間で終わる作業だけを決めておく方法があります。記事を1本書くと3〜5時間はかかるため、月1時間の枠には入りません。
枠に収まるのは次の3つです。
- ビジネスプロフィールの更新
- 既存ページへの内部リンク追加
- タイトルと説明文の手直し
Googleビジネスプロフィールの更新は週10分ほどが目安で、月に換算すると40分程度です。内部リンクの追加は1か所5分、検索結果に出るタイトルと説明文の手直しは1ページ数分で終わります。
記事の追加は、繁忙期を外した時期にまとめて進めましょう。月1時間の枠は、更新が止まった事務所に見せないための最低ラインです。
関連記事:ホームページのアクセス数を増やす7施策|優先順位と作業量も紹介
外部に任せると早い作業
外注に回すと早いのは、判断より手数がかかる作業です。サーバーの管理、スマートフォン表示の調整、フォームの不具合対応は、慣れていない状態で調べながら進めると半日仕事になる場合があります。
反対に、取扱業務の説明や料金の考え方、顧問先の事例は所長にしか書けません。外注先に渡すのは下書きと素材で足ります。依頼するときは、直したい場所の画面を撮って送ると往復が減ります。
分け方に迷ったら、その作業を1年に何回やるかで判断しましょう。年1回なら任せ、毎月あるなら手順を覚えて内製に回すと、費用と時間の両方が収まります。
税理士のホームページ集客が向かない場合
ホームページからの集客は、すべての事務所に必要な取り組みとは限りません。いまの受任の状態と商圏によっては、使う時間を別の場所に回したほうが利益は残ります。
見送る判断も、集客の設計の一部です。
ここでは、見送ってよい2つの場面を挙げます。
紹介だけで新規が足りている場合
新規の顧問先が紹介だけで毎年埋まっていて、断る案件も出ているなら、集客を増やす必要はありません。人手が足りない状態で問い合わせを増やすと、対応が遅れて既存の顧問先の満足度が下がります。
この場合に整えるのは、集客のページではなく紹介された相手が確認する情報です。取扱業務と料金の目安、所長の経歴が載っていれば、紹介からの受任は滞りません。
ただし、紹介の本数は顧問先の廃業や担当者の異動で減ります。年に1度は新規の内訳を数えて、紹介以外の経路が必要になる時期を見ておきましょう。準備は、必要になってから始めると半年ほど遅れるでしょう。
商圏に競合が少ない場合
事務所のある地域に税理士が少なく「税理士 ○○町」で検索しても数件しか出てこないなら、順位を上げる余地は限られます。検索する人の数そのものが少ない地域では、上位に出ても問い合わせの件数は伸びません。
日本税理士会連合会の登録者数では、令和8年7月末時点で東京が24,756名、沖縄が540名と税理士会ごとに開きがあります。競合の少ない地域で優先したいのは、地域の商工会や金融機関との関係づくりです。ホームページは、そこで名前を聞いた相手が確かめる場所として最低限を整えれば足ります。
ただし、オンライン面談を前提に商圏を広げるなら話は変わります。広げる範囲を決めてから、その地域名を入れたページを作る順番で進めましょう。
税理士のホームページ集客でよくある質問
ここまでの手順を進めるなかで、着手の順番や効果の出方に迷う場面が出てきます。特に多いのは、開業直後の事務所からの質問と、外部のサービスを併用するかどうかの相談です。
判断に迷う点を先に整理しておけば、動き出しも早くなります。
最後に、相談の場でよく出る3つの質問にお答えします。
開業直後の場合、何から始めればいい?
開業直後は、実績と顧問先の声を載せられない状態から始まります。先に用意するのは料金表と所長のプロフィールで、この2つがあれば実績がなくても比較の対象に入ります。
料金は、記帳代行と決算申告を分けた月額の目安で十分です。プロフィールには、氏名と登録番号、所属する税理士会、開業前の職歴と扱ってきた分野を書きます。どちらも公開の初日から用意できます。
そのうえで、取扱業務を1つに絞ったページを作りましょう。開業前の職場で扱ってきた業種があれば、そこを入口にすると最初の相談につながります。実績が少ない時期の見せ方は、開業直後の士業に共通する課題です。
関連記事:【開業直後】行政書士のホームページ制作|費用相場と実績の伝え方を解説
集客の効果はどのくらいで出てくる?
効果の出方は施策によって変わります。タイトルと説明文の手直しのように反応の早い作業は3か月、記事を積み上げる検索対策は半年が一つの目安です。反映までの期間は、ページ数や地域の競合状況で前後します。
3か月たっても検索結果に表示された回数がまったく増えていないなら、検索される言葉とページの中身がずれた状態です。半年たっても横ばいなら、待つ判断は終わりにしましょう。
確認の間隔は、2週間から1か月で足ります。毎日順位を見ても動きは読めないので、月末に表示回数と問い合わせ件数を並べて記録するほうが判断に役立つでしょう。変更した日付を残しておくと、どの手直しが効いたのか後から追えます。
関連記事:ホームページで集客できないのはなぜ?診断から改善の順番まで解説
税理士紹介サイトは使った方がいい?
紹介サイトは、開業初期に最初の接点を作る使い道があります。ただし、成約時に掲載側の手数料がかかるのが一般的です。
料率と、支払いが一括か分割か、初年度だけか継続かを確かめてから申し込みましょう。掲載を続けるかどうかは、手数料の負担と直接の問い合わせが増えたかどうかを半年ごとに見て決めます。
注意したいのは、掲載ページに載せる事務所の紹介文も、税理士会の細則の対象になる点です。形式のうえで第三者が広告主になっていても、全体を見て税理士本人の広告だと認められる場合は、細則が適用されます。
紹介サイトに載せる紹介文も、ご自身のホームページと同じ基準で見直しましょう。第三者が出す広告であっても、細則に反する内容に金銭を渡したり関与したりする行為は禁じられています。
関連記事:士業のホームページ集客は資格で変わる?優先順位から広告規程まで解説
税理士のホームページ集客について解説しました
税理士のホームページ集客で先にやるのは、作り直しではなく、いまあるページの見直しです。得意な税目と業種を1つに絞り、顧問料の目安と商圏の地域名、実績とプロフィールを整えれば、検索からも紹介からも判断してもらえる状態になります。
広告は原則として自由ですが、禁止される7つの類型と表示できない4つの事項、3年間の記録の保存は守る必要があります。まずは取扱業務のページを開いて、絞り込みの候補を1つ書き出しましょう。
改善の順番や外注する範囲に迷う場合は『レノワード企画』へご相談ください。
参考サイト

